(朝)米国市場は高安まちまち ダウ平均は強い小売売上高を受けて連日最高値を更新 日本市場は上昇してのスタートか

10-18 作者マネックス証券

【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 43,239.05  △161.35 (10/17)
NASDAQ: 18,373.61  △6.53 (10/17)

1.概況

米国株式市場では、高安まちまちとなりました。小売売上高が市場予想を上回る伸びを見せたことで、ソフトランディング期待が高まり、ダウ平均は42ドル高でスタートしました。ダウ平均は連日最高値圏で推移しており高値警戒感が高まるなか、長期金利の上昇等もあり上値は重くなりましたが、半導体受託製造大手の台湾TSMC[TSM]の好決算を受けて半導体の一角が買われたことなども投資家心理を支え、その後も堅調に推移しました。結局ダウ平均は、161ドル高の43,239で取引を終え、2日連続で最高値を更新しました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は、6ポイント高の18,373ポイントで取引を終えています。一方で、S&P500株価指数は、1ポイント安の5,841ポイントで取引を終え、わずかに反落となりました。

2.経済指標等

9月の米小売売上高は、前月比0.4%となり、市場予想(0.3%)と前回結果(0.1%)を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は、前週比1.9万件減の24.1万件で市場予想(25.7万件)以上に改善しました。また、9月の米鉱工業生産は、前月比-0.3%となり、市場予想(-0.1%)を下回りました。米設備稼働率も77.5%となり、市場予想(77.9%)を下回りました。10月のフィラデルフィア連銀景況指数は、総合で10.3となり、市場予想(3.0)を上回って前月(1.7)から大幅上昇しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やコミュニケーション・サービス、不動産など6業種が下落となりました。一方で、エネルギーや情報技術、金融、素材の4業種が上昇しています。また、一般消費財・サービスは横ばいとなりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、17銘柄が上昇しました。特に米保険大手のトラベラーズ[TRV]は、第3四半期決算で保険契約が好調となり、市場予想を大きく上回る増収増益を達成したことを受け、9%の上昇を記録しました。そのほか、シェブロン[CVX]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、ビザ[V]なども1%超の上昇を見せました。一方、13銘柄が下落し、コカ・コーラ[KO]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が1%近く下落したほか、ホーム・デポ[HD]、ナイキ[NKE]、メルク[MRK]なども下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、米上場の台湾TSMC[TSM]が、人工知能関連需要により第3四半期の純利益が前年同期比54%増となり市場予想を上回って過去最高を記録し、9.8%上昇しました。また、オンライン旅行会社のエクスペディア・グループ[EXPE]は、ウーバー・テクノロジーズ[UBER]が同社の買収を検討しているとのフィナンシャル・タイムズの報道を受けて、株価は4.8%上昇しました。一方、これを受けてウーバー・テクノロジーズの株価は2.4%下落しました。そのほか、電気自動車メーカーのルーシッド・グループ[LCID]は、第3四半期の損失が予想を上回り、大規模な株式公開を計画していると発表したことで、株価は18.0%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は0.08%高い4.09%となりました。ドル円は、円安方向に展開し150円を突破し、150円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、米国株高と円安を受けて、上昇してのスタートが予想されます。そうしたなか、日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)

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