九州北部・山口 きょう午前にかけ線状降水帯のおそれ 警戒を

06-28 作者admin

気象庁によりますと、九州から四国の南にのびる梅雨前線と前線上の低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込んでいるため、九州を中心に大気の状態が非常に不安定になっています。

いずれも鹿児島県が設置した雨量計で、▽午後9時までの1時間に指宿市で85ミリの猛烈な雨を観測したほか、▽午後11時までの1時間に肝付町で56ミリの非常に激しい雨を観測しました。

鹿児島県では今月20日の降り始めからの雨量が平年6月1か月分を上回る600ミリを超えて、土砂災害の危険性が非常に高まり土砂災害警戒情報が発表されている地域があります。

梅雨前線は28日にかけて北上して活動が活発になる見込みで、西日本では29日にかけて、東日本では28日から29日にかけて雷を伴った激しい雨が降って大雨となるおそれがあります。

特に福岡県と佐賀県、大分県、熊本県、長崎県、山口県では28日の午前中にかけて線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が降り続いて災害の危険度が急激に高まる可能性があります。

28日夕方までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで
▽九州北部と四国で250ミリ、
▽九州南部で200ミリ、
▽近畿と山口県で180ミリ、
▽中国地方と東海で120ミリ、
▽北陸で80ミリと予想されています。

さらに、29日の夕方までの24時間には
▽北陸で100ミリ、
▽近畿と東海で80ミリの雨が降る見込みです。

気象庁は土砂災害に厳重に警戒し、低い土地の浸水、川の増水、氾濫に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意するよう呼びかけています。

夜の暗い時間帯に雨が強まり、状況が急激に悪化するおそれがあります。

27日夜は雨の降り方や自治体からの避難の情報に十分注意し、安全な場所で過ごすようにして下さい。

気象台「状況急変する可能性 早めの備えや避難を」

九州北部で大雨のおそれがあることについて、福岡管区気象台は九州地方整備局と合同で午前11時半ごろから会見を開き、警戒と早めの備えを呼びかけました。

気象台の永田和也気象防災情報調整官は「九州北部を中心に、27日夜から28日昼前にかけて大雨となるおそれがあります。福岡県、佐賀県、長崎県、大分県、熊本県では27日夜から28日午前中にかけて線状降水帯が発生し、大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります」と述べました。

そのうえで、「状況が急変する可能性があるので、明るいうちにハザードマップや避難経路を確認し、今後の気象情報や避難情報に留意してすみやかに避難ができるよう備えてください」と呼びかけました。

暗くなる前に備えを

九州北部と山口県では、夜の暗い時間帯に線状降水帯が発生するおそれがあります。

暗くなってからの避難は危険が伴うほか、夜の寝ている間に状況が急激に悪化すると避難が手遅れになることもあります。

九州を中心に記録的な大雨となった2020年7月の豪雨災害では夜間に線状降水帯が発生し、熊本県では球磨川が氾濫して流域で50人が死亡したほか特別養護老人ホームや住宅が浸水したり流失したりました。

過去の線状降水帯のおよそ8割が、夜から朝にかけて発生したという分析結果もあり、暗くなる前に備えを終えておくことが大切です。

自分が住んでいる場所はどのような災害のリスクがあるのか、ハザードマップで確認してください。

災害のリスクがある地域に住んでいる人は親戚の家など安全な場所へ移動しておくと安心です。

ハザードマップには避難所の場所も載っています。

あらかじめ安全なルートを確認するとともにこまめに気象情報や自治体からの情報を確認し、避難するタイミングを検討してください。

夜、自宅で過ごす場合は土砂災害や浸水に備え2階以上の斜面から離れた部屋で過ごすようにしてください。

やむをえず暗い時間帯に避難する際は、斜面や川の近くを避け、雨の降り方や足元に注意しながら移動してください。

また、過去の災害では高齢者や障害者など自力での避難が難しい人たちが犠牲となるケースが相次いでいます。

高齢の家族が離れて暮らしている場合には、電話をかけて呼びかけると避難につながりやすくなります。

住民どうしの声のかけあいが早めの避難につながったこともあり、周囲にも目配りしてください。

福岡県“命を守るために早めの備えを”

福岡県は、28日の午前中にかけて県内で大雨となるおそれがあることを受け、県民に対し命を守るために早めの備えをしてほしいと緊急の呼びかけを行いました。

気象台によりますと、県内では27日夜から28日午前中にかけて線状降水帯が発生し、災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。

これを受けて福岡県は、県民に対し命を守るために早めの備えをしてほしいと緊急で呼びかけを行いました。

具体的には避難指示がなくても危険だと思ったら早めに避難することや、雨や風が強いときは外出を控え川や水田には近づかないこと、地下の施設を利用するときは雨の流れ込みに気をつけることなどをあげています。

また、雨が降り続けているにもかかわらず川の水位が下がったり、小石が落ちてきたりする場合は土砂災害が起きる可能性があるとして注意を呼びかけています。

防災危機管理局の成松宏局長は「いつもより一段も二段も高く注意をし、必要な備えをお願いしたい」と述べました。

長崎 佐世保 市内31か所に避難所開設 早めの避難呼びかけ

大雨に備え長崎県佐世保市は、27日午後5時から市内の31か所に避難所を開設し、ハザードマップの確認や早めの避難を呼びかけています。

このうち、市の中心部にあるコミュニティセンターでは、午後3時すぎから職員が受付場所を設置したり、避難者を受け入れる部屋が安全に使用できる状況かどうか確認したりして、準備を進めていました。

佐世保市は、大雨に備えてハザードマップを入念に確認するとともに、災害のリスクがある場合は、避難所のほか、親戚の家などに早めに避難するよう呼びかけています。

佐世保市中部地区コミュニティセンターの佐々木謙一センター長は「避難所を開設しているかという問い合わせが、すでに寄せられている。不安がある方は、遠慮なく来てほしい」と話していました。

長崎市の自治会 避難所開放するための準備

大雨に備えて長崎市の自治会では、住民に配布する土のうの準備や集会所を避難所として開放するための準備が進められました。

長崎市西山2丁目は、斜面地に住宅が建ち並び、一部の地域が「土砂災害警戒区域」に含まれています。

27日昼ごろには、地元の80代の女性から「雨が心配なので避難をしたい」という連絡が寄せられたため、西山2丁目自治会では、集会所を避難所として開放するため、午後3時から自治会のメンバーが集まり設営を始めました。

避難した人たちが快適に過ごせるように、畳の上に座布団を並べて睡眠用のマットや毛布をかけたり、枕元に扇風機やラジオを置いたりしていました。

続いて、ヘッドライトやロープ、テントなど、防災や避難に必要な備品がそろっているか確認していました。

また、自治会の地域内に住む人たちに配布するための土のうを、集会所の前に並べていました。

長崎市西山2丁目自治会で防災の中心メンバーを担う下村和希さんは「災害は起きないのが、いちばんいいが、心配だったり、何か起きたりしたら、ぜひここを利用してほしい」と話していました。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。
©著作権2009-2023デイリー東京      お問い合わせください   SiteMap