「男性の更年期対策、健康経営として定着を」 順天堂大学大学院教授 堀江重郎氏

10-21 作者admin

男性更年期障害に詳しい順天堂大学大学院の堀江重郎教授=28日午後、東京都文京区(斉藤佳憲撮影)

男性更年期障害は男性ホルモンのテストステロンの分泌が急激に低下することで発症するが、加齢だけでなく取り巻く環境から生じるストレスが大きな原因となる。

厚生労働省の研究班が令和4年度から男女の更年期症状の特徴や仕事への影響度合いなどを調査している。男性側の研究では順天堂医院泌尿器科に通院する患者や企業などで働く男性を対象に調査した。その結果、仕事における意思決定の自由度が低い人ほどテストステロン値が低く、更年期障害になりやすい傾向が分かった。

テストステロンの分泌は職場のストレスの影響を受けやすいが、食事や運動など生活習慣の改善や職場以外に自分が活躍できる居場所を持つこと、投薬治療などで回復する。逆に何も手を打たなければ改善しない。

こうした男性更年期障害の実態を企業などの雇用主が理解し、従業員に向けて医学的に正しい情報を発信する研修を行ったり、特別休暇を設けて治療を受けやすい環境を整えたりすることは当事者が症状に気がつくきっかけとなり有効だ。働く人のウェルビーイング(心身の健康や幸福)に基づき、生産性を高める健康経営の取り組みとして定着してほしい。(聞き手 篠原那美)

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