「船は一人で動かせない」艦船情報を収集 海自護衛艦「てるづき」鎌恒生准海尉(55)

09-19 作者admin

戦闘指揮所(CIC)で情報収集に当たる鎌恒生准海尉(海上自衛隊提供)※一部画像を処理しています

海上自衛隊の護衛艦で、周辺を航行する艦船の情報をレーダーなどで集めて艦長らの判断を補佐する「電測員」を約37年間務めた。5回にわたる海外派遣で何度も死地を乗り越え、現場で安全保障を支えてきた。

電測員の生命線はデータの蓄積だ。どの海域にどの国の艦船が現れるのか、どんな行動を取るのか。出航前にデータを収集する。現在はデータベースを使うが、かつては頭の中に全て入れた。

平成20年ごろ、中東アデン湾周辺での海賊対処で、十数隻の民間船団を護衛した際、「ボートが接近中」との情報が入った。警戒のため艦載ヘリコプターでの確認を提案。搭乗員に「発砲するかもしれない。心の準備を」と耳打ちした。結局、船は停止し、無事に海域を通過できた。「肝を冷やした」と振り返る。

入隊当時、教育隊の熱血班長から「自衛官は修練だ!」とたたき込まれた。どんな任務も自分を磨く機会だから黙って甘受せよという意味だ。

ただ、自身はスパルタとは無縁だ。「人の良さで横須賀で知らない人はいない」(海自関係者)。後輩指導に当たっては一人一人の仕事との向き合い方を見る。

「動き方のロジックが見えれば同じ所でつまずくのが分かる。そこを誰かがフォローすればいい。船は一人では動かせないものだから」(市岡豊大)

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