歴史に恥じない外交を

09-08 作者admin

垂秀夫氏(原川貴郎撮影)

駐中国大使の任を終え外務省を退官して9カ月になるが、中国との関わりは続いている。5月には友人の勧めで大使在任中のスピーチ集を上梓(じょうし)した。訴えたかったのは「歴史に恥じない外交を常に考えてきた」ということだ。

私たちは互いに重なり合った日中の歴史の中に生きている。

日本の近代史の始まりと言えば、黒船の来航だろう。1853年7月、4隻を率いて浦賀に来航したペリーは幕府に開国を迫る米国大統領親書を提出すると、54年2月、回答を得るべく横浜にやってきた。船団は合計9隻に増え、幕府は動揺した。しかし、米側の乗組員の中に一人、羅森という中国人を見つけて安堵(あんど)した。広東出身の彼は科挙に通るほど優秀で、英語もできたため、ペリーの首席通訳官のサミュエル・ウィリアムズが助手として連れてきたのだった。

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