野党連携巡り温度差 立憲民主党代表選、17日間の論戦スタート

09-08 作者admin

日本記者クラブ主催の討論会で、自身の訴えを書いたボードを手に写真撮影に応じる(左から)野田佳彦、枝野幸男、泉健太、吉田晴美の各氏=7日午後、東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

立憲民主党代表選に立候補した野田佳彦元首相、枝野幸男前代表、泉健太代表、吉田晴美衆院議員は7日、討論会や共同記者会見に臨み、17日間の論戦が始まった。次期衆院選で政権交代を目指す考えや政治改革の必要性についてはおおむね見解が一致したが、野党連携の在り方を巡っては微妙な温度差も露見した。

立候補の届け出を終えた4氏は、党本部で共同記者会見を行った後、日本記者クラブでの討論会に参加した。

野田氏は、派閥政治資金パーティー収入不記載事件に伴う自民党への逆風を念頭に「政権を取れる千載一遇のチャンスだ」と指摘し、「経験値を生かして政権交代の先頭に立つ」と主張した。

枝野氏は、野党への期待が高まらない背景を「政権を預けたらどんな社会ができるのかというビジョンが見えないからだ」と分析し、支え合いの仕組みを充実させる「人間中心の経済」の実現を重ねて訴えた。

泉氏は、党勢浮揚に取り組んだ3年間の実績をアピールして「政権を担う決意を語る」と強調した。

吉田氏は、教育を充実させることで経済を活性化し、国民生活の底上げにつなげるという戦略を示した。

立場の違いが垣間見えたのは、他の野党との関係に関する発言だ。

野田氏は、日本維新の会との連携などを念頭に「穏健な保守層まで取りに行くというときに、初めて政権を取れるチャンスがある」と持論を展開したが、枝野氏は「維新とは方向性が違う」と明言した。泉氏も「維新は『立民とやるか自民とやるか』の両にらみの姿勢だ」と述べ、連携には消極的な姿勢を示した。

吉田氏は、政党名は明示せずに「総選挙で(与野党)一対一の構図を作るという意味で、選挙協力は進めるべきだ」と語った。

共産党との関係に関しては、枝野氏が「包括的な連携は難しい」、泉氏が「ともに政権を担うことはできない」と発言した。

代表選に向けては、野田、枝野両氏が8月中に立候補の意向を明らかにしていたのに対し、泉氏と吉田氏は立候補に必要な推薦人20人の確保に苦労し、告示直前まで出馬の環境が整わなかった。

現職ながら厳しい状況での出馬を余儀なくされた泉氏だが、討論会では代表として党再生の先頭に立ってきた自負から、こんな言葉を口にした。

「立派な先輩たちがいる。先輩たちに支えていただいて私が政権を担いたい。いつまでも過去の経験、実績(に頼る党運営)を繰り返していけば、次の世代も伸びてこない」

立候補表明が先行した2人の重鎮への対抗心がにじんだ。(深津響、末崎慎太郎)

立憲民主党代表選、主導権争い過熱

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。
©著作権2009-2023デイリー東京      お問い合わせください   SiteMap