山形 記録的な大雨で被害深刻な戸沢村 川沿いで5.7m浸水か

07-27 作者admin

国土地理院は、山形県の新庄市や戸沢村周辺など、最上川の流域の浸水の範囲や深さを推定するため、26日朝、ヘリコプターで上空から撮影した画像をもとに分析を行いました。

その結果、最上川と氾濫した鮭川とが合流する付近の水田では、浸水が5.7メートルに達したと推定され、一帯では最も深かったとみられるということです。

最上川沿いでは、
▽戸沢村の役場周辺の古口地区が、広い範囲で浸水したとみられるほか
▽JR陸羽西線の線路付近も浸水範囲に含まれています。

最上川沿いで浸水が推定された範囲は、戸沢村に加え、新庄市や大蔵村、舟形町の合わせて20キロ以上にわたっています。

国土地理院は、あくまで26日時点での画像をもとにしているため、すべての浸水を反映したものではないとしたうえで、「浸水の状況を把握し、復旧活動に役立ててほしい」としています。

専門家「記録的な大雨に加え地形が影響し氾濫したか」

山形県で相次いだ川の氾濫について、専門家は、最上川の流域などでの記録的な大雨に加え、「狭さく部」と呼ばれる川幅が狭くなった地形が影響して氾濫につながったのではないかと指摘しています。

河川の氾濫のメカニズムに詳しい東京理科大学の二瓶泰雄教授は、NHKが撮影した山形県の浸水現場の映像をもとに分析しました。

二瓶教授によりますと、最上川は川幅が狭くなる「狭さく部」と盆地が繰り返すのが特徴で、広い範囲で浸水の被害が出ている戸沢村では、役場から下流側で狭さく部になっているということです。

その地形が、川の水位を高くしたとしていて、「川の水が集まってきたときに横に逃げるスペースがないので、どんどん川の水位が上がり、上流側の水位もせき上げる。戸沢村には、最上峡という狭さく部があって水が流れにくい場所、ボトルネックのようになったことで、水位が上がったというのが1つの要因ではないか」と分析しています。

最上川は、日本三大急流の1つとして知られるほど流れが速く、支流から流れ込んだ水が速く集まりやすいと指摘します。

二瓶教授は「線状降水帯のような大雨が、この地域一帯にもたらされたことで、まず、支川の水位が上がって、その水がすぐに本川に集まった。少なくとも中流部では、それほど時間差がなく支川と本川の水位が上がったと考えている」と話しています。

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