すいかばか、ご主人の想い

09-01 作者大橋 ひろこ

夏の果実といえばすいか。
このところ、スーパーやコンビニでは切り分けられたすいかを買うことができますが、カットされ時間が経過したすいかは酸化が進み、あっという間に味が落ちてしまうそう。小分けに切られたものじゃなくて、大きなすいかを家族みんなが揃う団欒の場でカットして最上の状態で食べてほしい、と話す寿風土ファーム(山梨県北杜市)「すいかばか」のご主人。バカは元来相手を罵る言葉ですが、物事への情熱が並外れて強く、その道を極めている人物に対して使う場合はこれ以上ない褒め言葉となります。「すいかばか」を公言する寿風土ファームのパンフレットには「すいかばか!命かけてつくってます『すいかを粗末にする奴』や『すいか割する奴』には売らねえ!」 と書かれています。

すいかって、こんなにたくさん種類があるの?!と驚きましたが、ここには常時幾種類ものすいかが並んでいます。私が訪ねた時は7種類ものすいかを試食させていただきました。果肉が黄色のすいかも初めて口にしました。戦水甘メロカという品種はまるでメロンのような甘さです。これに決めた!とズラリと並ぶすいかの陳列を改めて見ると、ご主人が作るすいかはラグビーボールのような形をしています。

「大きなすいかを買いたいけれど、冷蔵庫に入らないと皆さん仰るんだよ、だから品種改良して細長い形にしたんだ」本来すいかは大きければ大きいほど甘くなるそうですが、ご家庭の冷蔵庫にすっぽり入るように独自に品種改良したのだそうです。カットすいかが市場に流通するようになり、本当に美味しいすいかを知らない人が増えた。家族みんなで大きなすいかを囲んで、切り立てのものを食べてほしいというご主人の熱い想いが伝わってきます。なんでも小分けで売られる時代。消費者のニーズに合うよう便利になった反面、本当の良さが見えなくなっていることも多くあるかもしれません。

すいかの食べ方も色々教わりましたが、なるほどと膝を打ったのが皮に近い白い部分は味噌をつけて食べると美味しい、ということ。すいかはウリ科。甘くない部分はきゅうりと同じように味噌をつけるといい、とご主人。お試しあれ。

寿風土ファームのすいかの販売は7月~9月のみ。すいかがお好きな方は訪ねてみてはいかがでしょうか。

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