敵は”本能”にあり

08-02 作者大槻 奈那

先週、NHK大河ドラマ「どうする家康」は中盤のクライマックス「本能寺の変」を迎えましたね。異説家康の真骨頂で惹き込まれました。これにあやかり(関係ないですけど)、今回は、市場を悩ます投資家の「本能」について、つぶやかせていただきます。

人間の注意力は思っている以上に行き届かないものです。1999年に発表されたゴリラの実験は、選択的注意力を如実に示し大きな話題になりました。この実験のビデオ(※)では、途中でゴリラの着ぐるみが堂々と画面を横切ります。ところが、事前に白い服の人がボールを何回パスしたか数えるように指示された人々はこれを見逃しました。

注意を絞ることは、時間や能力を効率的に使うために人間に備わった本能なのでしょう。しかし、その結果、時として重要なものを見失ってしまいます。
この1年余り、日々の経済報道は世界のインフレと金融政策に埋め尽くされており、我々もこれにかなり気を取られてきました。しかし実はその裏側で、別の「何か」が動き出しているかもしれません。
敵は”本能”にあり…。目立つ物から目線を外し、いろいろな事実を見るようにしたいと思います。

(※)ゴリラの実験ビデオ

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