【米国株動向】バークシャー・ハサウェイのポートフォリオの43%超を占めるアップル[AAPL]

06-28 作者モトリーフール

モトリーフール米国本社、 2024年6月23日投稿記事より

購入8年で株価700%超上昇

バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]のトップとしてウォーレン・バフェット氏が行う投資は、さまざまな投資家から注目されています。

アップル[AAPL]は、バークシャー・ハサウェイの最近の保有銘柄の中で高パフォーマンスの銘柄です。バークシャー・ハサウェイが初めてアップル株を買ったのは2016年第1四半期でした。2016年の年初から2024年6月18日までの間に、アップルの株価は714%上昇しています。この上昇により、アップルは今やバークシャー・ハサウェイにとって最大の保有銘柄であり、3900億ドルに上るポートフォリオのうち43%を占めています。

バフェット氏が初めて、「マグニフィセント・セブン」(※)銘柄の一角を占めるアップルの購入を決めた意思決定プロセスに着目すると、多くのことを学ぶことができます。

価格決定力で高利益率

約10年前、アップルは今よりも小規模な企業でしたが、それでも世界最強のブランド力を誇っていました。iPhoneを筆頭とする人気のハードウェア製品が顧客ロイヤルティを高めていました。しかし、強力なエコシステムを構築し、競合プラットフォームへの顧客の流出を防ぐことができたのは、同社が提供するソフトウェアとサービスのおかげです。

アップルのブランド認知度と顧客ロイヤルティは、圧倒的な価格決定力を後押ししました。これは、同社の2015年度の粗利益率が40.1%だったことに表れています。

バフェット氏が初めてアップル株を購入した時、同社の財務状況には大きな問題はありませんでした。2015年度の純利益は530億ドル、利益率は22.8%でした。2015年9月26日時点で、バランスシート上の現金、現金同等物、有価証券は2060億ドルに上り、長期負債は560億ドルと、強固な財務基盤を有していました。

バフェット氏は、優良企業への投資を好みます。ただし、購入するのは株価が適正な場合に限ります。2016年第1四半期にアップル株の平均株価収益率(PER)はわずか10.6倍でした。

足元は成長鈍化、株価は割高に

ただし、バフェット氏が最初にアップル株を買った時と現在とでは、状況が異なります。

2024年のアップルは、2016年と比べてはるかに成熟した企業です。これは、成長余地がやや限定的であることを意味します。2023年度の売上高は前年比2.8%減少し、2024年度第2四半期(2024年1~3月)も再び落ち込みました。

こうした低成長トレンドに対し、足元のPERは32.7倍です。過去10年間の平均PERを53%上回り、割高です。現在のバリュエーションは、バフェット氏がバークシャー・ハサウェイのポートフォリオに初めてアップルを加えた時の3倍に相当します。

バリュエーションに基づくと、アップルの未来に対する期待値は非常に高くなっています。しかし、今後の売上高と利益はかつてと同様に伸びるとは限りません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Neil Patelと同氏の顧客は、記載されているどの企業の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はアップル、バークシャー・ハサウェイの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。

(※)アップル、マイクロソフト[MSFT]、アルファベット[GOOGL]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、メタ・プラットフォームズ[META]、エヌビディア[NVDA]、テスラ[TSLA]

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