究極のデータ・サイエンス

07-19 作者大槻 奈那

今週も水曜日、つぶやきのお当番が回ってきました。さっき書いたばかりのような気がしましたが… 1週間のサイクルって短いですね。これを毎日書いていた松本さんは本当にすごい、といまさらながら感服しました。

サイクルといえば、近年、様々な経済データの周期が早くなっている印象です。かつて市場を賑わす米賃金データは雇用統計くらいでしたが、最近は週次の失業保険受給者数等も注目されますし、民間企業インディードの求人募集状況などのデータもあります。不動産など昔からデータ集計が難しく発表の遅さが課題となっている指標についても、最近は、ジローが週次の価格や賃料等の興味深いリアルタイム・データを公開するようになりました。

こうした様々なオルタナティブ(代替)・データは、正確さの面では課題もありますが、市場の動きをいち早く察知するには欠かせないものとなりつつあります。今後益々データの先取り合戦は激しくなっていくでしょう。

そうなると、個人投資家は、巨額の資金を払ってデータを集められる大手ファンドには太刀打ちできなくなる気もします。しかし一方で、最も速い”速報”データは、特にBtoCビジネスでは、個人のマインドです。この商品は売れそうだ、とか、このニーズはもうないかもしれない、などと言った感覚が、将来の需給を占う意味で、そして、銘柄選定においても重要です。極めて文系的に聞こえるでしょうが、実は、自分の心の感覚を研ぎ澄ませることこそ、究極のデータ・サイエンスなのかもしれません。

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