キュレーター

12-14 作者清明 祐子

昨晩はグローバルの第一線で活躍されている女性先輩方との食事会でした。立派な肩書きの方々ばかりでしたが、かしこまった会ではなく、皆さん自然体で、外から見た日本、国際社会における日本の見え方について様々なお話を伺うことができ、実に楽しい会でした。そして、たくさんの気づきがありました。

あるお一人が「日本にはキュレーターがいないのよね」と言うと、別の方も「たしかにそうね、日本では聞かないわね」と。

私はここで、「ん?キュレーター?いるけどなぁ」と思うわけです。しかし、この会話におけるキュレーターとは、美術品などの収集・展示会の企画運用をする人ではなく、「未来の社会を想像し、課題を定義し、課題解決に向けて影響力を有するあらゆる分野の人を巻き込み、議論する場を作り、社会変革を推進する人」で、イノベーター(改革者)やアントレプレナー(起業家)と並列する言葉でした。

不確実・不安定な世の中において、30年や50年といった超長期の未来を想像することはとても難しいけれど、それでも、歴史・文化に学び、今世界で起きていることを分析し、アカデミアとも連携し、超長期での地球規模の課題をとらえ、社会で解決していこう、と。実に壮大な話です。が、そういう話になると、日本人の顔ぶれがないのだ、と。もっと、世界で活躍し、世界を動かす人が出てきても良いのに、と。

そういえば、私がCEOに就任した際に、海外に住む大先輩から、「地球儀を俯瞰した経営を意識し、グローバルリーダーになってね、期待してるよ」と声をかけられたことを思い出しました。私は心の中で、「こんな経験不足の私に、グローバルリーダーなんて、到底できる気がしないですよ」と思ったのですが。ただ、昨日の会もそうですが、日本の外にいる人/国際社会で活躍する人の方が、日本・日本人に対する期待も大きいし、もっとできるはずと見えているようです。

私にどこまでできるかわかりませんが、2024年は地球を俯瞰する意識を持つことを目標にしたいと思います。そして、日本からも多くのキュレーターが生まれるよう、何か貢献できることを考えてみたいと思います。

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