「わからない」から始まるコミュニケーション

11-09 作者清明 祐子

先日、某メディアからの依頼で、女性管理職向けの講演をしました。テーマは「キャリアとマネー」。たくさん質問をいただいた上、終了後の雑談タイムでは、「元気がもらえた」「私も一歩踏みだして頑張ってみようかと思う」などの感想もいただくことができ、逆に私も元気をもらえました。

「キャリア」についてお話しさせていただく機会は結構多いのですが、毎度自然体で、自分の経験や自分が大切だと思っていることをお話ししています。その中で、最近よくお伝えしているのは、「『わからない』から始まるコミュニケーション」です。

「わからないから教えてほしい」と言えると、自分の知識が増えるだけでなく、教えてもらいつつ意見交換をすることで新しいアイデアが生まれたりします。「わからない」をきっかけに、コミュニケーションの量が圧倒的に増え、「へー!」という発見も多いです。自分事で考え、熱意をもって取り組んでいる人の「わからない」に対しては、周囲もサポーティブだと思います。

一人で抱え込まなくて良い。一人で完璧にこなそうなんて思わなくて良い。一人ですべてを完璧にできる人はいません。誰かと比べて勝手に落ち込む必要もない。むしろ、自分にできないことやわからないことを認識できた、伸びしろがあるな、くらいに思っておけば良い。あるところまでは自分のスキルを磨くことが大切ですが、どこかで、自分の力を磨き続けることよりも、人を巻き込んで、チームを作って、一人でやるよりも大きなチャレンジをするステージに移行するタイミングが来ます。オポチュニティが降ってきたとき、「できない」と思って躊躇するよりも、「一人ではできない」は当然ととらえ、「わからない」エリア・「できない」エリアを特定し、人の力を借りよう、と思えると、一人で頑張るよりも大概うまくいきます。

また、情報収集も、「報告せよ」「聞いてない」より「わからないから教えてほしい」の方が、ファクトが集まりやすいように思います。コミュニケーションは双方向。これからもスタイルを変えずに頑張ります。

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