「緩い」国ニッポンの次の一手

10-11 作者大槻 奈那

昨日、IMFが成長率の新しい見通しを発表し、今年の日本の成長率が0.6ポイントも引き上げられました。2.0%という成長率は先進国平均を大きく上回ります。もっとも、引き上げの背景は、インバウンド需要や円安による輸出業者へのプラス影響等とみられ、株式市場では、7月までの上昇に織り込まれてしまっている印象です。
では、さらなる市場の浮揚には何が必要なのでしょうか。

市場が比較的落ち着いている今は、様々な構造改革の最後の機会かもしれないと思います。その筆頭格が日銀のマイナス金利の解除です。市場予想通り、来年初頭には実施される可能性が高いでしょう。同時に、様々な行財政改革の中身や、東証の経営改革要請等に対する企業の動きも徐々に明らかになるでしょう。この流れで、来週以降の中間決算発表では、自社株買いが一層活発化すると思われますし、一部で報じられている資産売却等の経営効率化策も本格化すると予想されます。

マイナス金利が解除されたとしても、日本はまだ金融的には「緩い」国です。緩いだけではなく改革も進むとなれば、海外投資家から見ても他国に比べて魅力的な市場です。企業についてはこの中間決算の施策、日銀や政府については今後半年程度の動きには要注目だと思います。

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