新NISA活用のもう一つの視点

10-04 作者大槻 奈那

新NISAが盛り上がりを見せていますね。様々なマネー誌やコラムなどでも、新NISAの引きは相当強いと聞き、今回のコラムのタイトルもそれにあやかってみました(笑)。

実際、Amazonで「新NISA」の本を検索すると244件もヒットします。マネックスの福島理さんも『1時間でマスター!マンガと図解でわかる 新NISAの教科書』を上梓されましたね。記述も正確で漫画入りで分かりやすいです。
これだけ話題になれば、岸田政権の「資産運用立国」の第一歩はひとまず大成功と言っていいでしょう。しかし、新NISAの資金の行先は、今のところ米株投資や、国内向けでもインデックス投資が多くなると予想されています。確かに、これまでの米株の上昇や運用コストを考えると、入り口としてはその選択も理解できます。

しかし、それだけでは日本企業の持続的成長に直結するわけではありません。運用会社がしっかりと成長意欲のある企業を選別し、企業と直接対話することで成長を強く求めていかなければ、一時的なブームで終わってしまうかもしれません。

最近流行りの金融教育では、安価なインデックス・ファンドの優位性を謳う論調が多いですが、インデックス・ファンドではこうした目的を達するのには不十分です。「資産運用立国」が本当にマネーの持続的な成長を生むには、個人投資家の皆さんが、大事なお金を託す先が、本当に成長企業を選別していくか、そのための対話をしっかり行って成果を出しているのか、厳しく選ぶことがカギになると思います。

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