エコシステム

09-21 作者清明 祐子

現在、出張でサンフランシスコに来ています。サンフランシスコといえば、スタートアップやイノベーションのイメージがありますよね。昨日は、シリコンバレーでいくつかのミーティングをしたのですが、やはり、次世代イノベーション並びにそれを支えるリスクマネーとガバナンスの話で盛り上がりました。 

「スタートアップ・エコシステム」という言葉もよく耳にするわけですが、この「エコシステム」、人によって、あるいは、テーマによって、描くイメージが異なります。中心に何かを置いて、周囲をステークホルダーが囲む画がよく見られますが、矢印がどちらからどちらに向かっているのかによっても意味合いが変わってくるし、何よりも、中心に何を置くかで随分と異なります。中心はなく、サークル状ではないダイアグラムを描く場合もありますが、いずれにしても、何かのゴールに対して、相互作用しながら、バランスよく継続的に存続できる仕組みをどう作るか、が「エコシステム」のキモなわけですから、「エコシステム」もゴールの設定がとても大切で、そのベースは『why』なのでしょう。 

今回、ある方が、「あるビジネス領域に関するエコシステムを考えてみようとなった時に、常に自社を中心に置き、自社から外側に対して矢印が出ていく画を描く人がいるんですよね…」とおっしゃっていて、とても興味深かったです。自社を起点に変革を起こすぞ!ということかもしれないし、一方で、それだと小さいエコシステムになってしまったり、果たしたい目的がビジネス領域の発展ではなく、自社の成長に見えてしまったりします。 

「スタートアップ・エコシステム」も、スタートアップを支援する環境整備が目的なのか、スタートアップの創出と発展によって社会や人々の生活にイノベーションを起こすことが目的なのか、で描かれるサークルの登場人物や大きさが変わるように思います。近年話題の「女性活躍」も、目的不透明な数合わせではなくて、多様性を活かして何を達成したいのか、が重要なのだと思っています。(ちなみに、機会があるたびにお話ししているとおり、多様性は、ジェンダーだけではなく、年代や国籍等も含めて語られるべきものだと考えています)

ここサンフランシスコで、改めて、常に「目的」を持ち、広い視野で考えることが大切だと感じています。

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